誹謗中傷対策を会社が行う方法!被害を防ぐ手順と相談先

「元従業員と思われる人物から、事実無根の書き込みをされている」「競合他社が関与していると思われる悪質な投稿が繰り返されている」——このような状況に直面している企業は、決して少なくありません。

インターネット上の誹謗中傷は、企業の採用活動・ブランドイメージ・売上・社員の士気など、あらゆる側面に深刻なダメージを与えます。しかし「どこに相談すればいいのか」「自社でできる対策はあるのか」がわからず、対応が遅れてしまうケースが多いのが現状です。

本記事では誹謗中傷対策として会社が取れる具体的な方法・注意点・相談先を順を追って解説します。被害が拡大する前に、正しい知識をもとに早期対処を進めましょう。

誹謗中傷対策を会社が行う4つの方法

インターネット上での誹謗中傷に対して、企業が取れる対策はいくつかあります。問題の深刻さや発生場所によって適切な手段は異なりますが、まずは代表的な4つの方法を把握しておくことが重要です。状況に応じてこれらを組み合わせながら対処することが、被害を最小化するうえで効果的です。

  • プラットフォームへの削除申請
  • 弁護士を通じた法的対応
  • 正しい情報の積極的な発信
  • 専門業者への対策依頼

プラットフォームへの削除申請を行う

誹謗中傷が投稿されたサイトやサービスの運営者に対して削除を申請する方法は、最も基本的な対処手段のひとつです。多くの口コミサイト・掲示板・SNSでは、利用規約に違反するコンテンツへの報告・削除申請フォームが設けられています。

申請の際は「どの投稿が」「なぜ問題なのか」を具体的に説明することが重要です。単に「悪口だから消してほしい」という申請は通りにくく、名誉毀損・プライバシーの侵害・事実無根の情報であるといった根拠を明確に示すことが、削除申請を通すための鍵になります。

ただしプラットフォーム側の判断によって削除されない場合も多く、自社での対応に限界を感じる場合は専門家への相談が必要になります。

関連記事:口コミの削除依頼はどこに出す?サービス別の手順と注意点

弁護士を通じて法的対応を進める

削除申請が通らない場合や、悪質な書き込みが繰り返される場合には、弁護士を通じた法的対応が有効な手段となります。具体的な手段としては、裁判所を通じた投稿削除の仮処分申請・プロバイダへの発信者情報開示請求・特定された投稿者への損害賠償請求などが挙げられます。

発信者情報開示請求は、プロバイダ責任制限法に基づいて匿名投稿者の情報開示を求める手続きです。2022年の法改正によって手続きが一本化・迅速化されており、以前より投稿者の特定がしやすくなっています。

法的対応は費用と時間がかかりますが、悪質な投稿者に対して責任を追及できる唯一の手段であり、再発抑止にも大きな効果があります。

関連記事:誹謗中傷の削除依頼・開示請求の方法と手順を徹底解説

正しい情報を積極的に発信して対抗する

誹謗中傷への対策は「消す」だけではありません。企業が正しい情報を継続的に発信することで、誤った情報や悪評を相対的に目立ちにくくするアプローチも非常に有効です。採用ページ・公式ブログ・SNS公式アカウントなどを通じて、職場環境や企業理念・実績などのポジティブな情報を積み上げていくことで、求職者や消費者が企業を正しく評価できる環境が整います。

また弁護士監修のもとで口コミへの反論や公式見解をメディアに掲載するサービスを活用することで、第三者性の高い情報として正しい内容を届けることも可能です。「削除できない誹謗中傷」に対して、正面から情報で向き合えるのがこのアプローチの最大の強みです。

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専門の風評被害対策業者に依頼する

自社での対応が難しい場合や、複数のプラットフォームにまたがって問題が発生している場合には、風評被害対策を専門とする業者への依頼が選択肢となります。削除申請の代行・逆検索対策・モニタリングサービスなど、専門業者はさまざまなサポートを提供しています。

業者を選ぶ際には、実績・対応範囲・費用の透明性を必ず確認することが大切です。成果保証を過度に強調する業者や、契約内容が曖昧な業者には注意が必要です。複数の業者を比較検討したうえで、自社の課題に最も適したサービスを選ぶようにしましょう。

関連記事:風評被害対策サービス10選!選び方や特徴・費用を徹底比較

自社で誹謗中傷対策を行う際の注意点

誹謗中傷への対応は、やり方を誤ると問題がさらに拡大してしまうリスクがあります。対策を進める前に、自社で対応する際に特に注意すべき4つのポイントを把握しておきましょう。これらを守ることが、被害を最小限に抑えることにつながります。

  • 感情的な返信・反論をしない
  • 証拠を保全してから削除申請を行う
  • やってはいけない対応を把握しておく
  • 対応の記録を残しておく

感情的な返信や反論は絶対に避ける

誹謗中傷を目にすると、怒りや焦りから感情的な返信をしたくなることがあります。しかし企業として感情的・攻撃的な返信を公開の場で行うことは、「この会社は誠実ではない」という印象を与えてしまい、状況をさらに悪化させるリスクがあります。

特にSNSや口コミサイトでの返信は多くの人の目に触れるため、不適切な内容がスクリーンショットで拡散されて炎上に発展するケースもあります。どんなに理不尽な内容であっても、返信をする場合は事実に基づいた冷静・丁寧な内容にとどめることが鉄則です。

返信の内容に迷う場合は、社内で複数人が確認してから投稿するか、弁護士などの専門家に文章を確認してもらうことをおすすめします。

関連記事:Googleの口コミ返信で炎上しないためのNG対応と正しい対処法

削除申請前に必ず証拠を保全する

問題のある投稿を発見したら、削除申請をする前にまずスクリーンショットや画面録画などで証拠を保全することが重要です。削除申請が通った場合、投稿が消えてしまうため後から内容を確認できなくなります。

証拠は発信者特定の手続きや法的対応を進める際に必要不可欠な資料となります。投稿日時・掲載場所・投稿内容・投稿者のアカウント情報など、できる限り詳細な情報を記録しておくことが、その後の対応をスムーズに進めるための重要な準備です。

また投稿が削除されてしまった場合でも、事前に保全した証拠があれば法的手続きを進めることが可能です。発見したら迷わずすぐに保存する習慣をつけておきましょう。

逆効果になるNG対応を把握しておく

誹謗中傷への対応のなかには、善意から行ったにもかかわらず逆効果になってしまう行動があります。たとえば問題の投稿を自社のSNSで引用・拡散して「これは事実と違います」と訴える対応は、投稿の存在をさらに多くの人に知らせることになってしまいます。

また複数のアカウントを使って問題の投稿を批判する、業者に依頼して大量のポジティブ口コミを投稿するといった行為は、発覚した場合により深刻な炎上を招くリスクがあります。対策を行う際は「何をすべきか」だけでなく「何をしてはいけないか」を事前に把握しておくことが、被害拡大を防ぐうえで同じくらい重要です。

対応の記録を社内で一元管理する

誹謗中傷への対応は、担当者が変わっても引き継ぎやすい形で記録・管理しておくことが重要です。どのプラットフォームにどのような投稿があったか・いつ削除申請したか・どのような結果だったかを時系列で記録しておくことで、対応の漏れや重複を防ぐことができます。

また記録が整理されていることで、弁護士や専門業者に相談する際にスムーズに状況を共有できます。風評被害対策は継続的な取り組みであるため、担当者個人の対応で完結させるのではなく、組織としての管理体制を整えることが長期的な対策につながります。

誹謗中傷被害を防ぐための正しい手順

誹謗中傷への対応は、場当たり的に動くよりも順序立てて進めることが大切です。焦って対応すると証拠を消してしまったり、余計な炎上を招いたりするリスクがあります。以下では誹謗中傷被害に直面したときに取るべき正しい手順を4つのステップで解説します。

  • 問題の投稿を発見したらまず証拠を保全する
  • 投稿内容の深刻さを判断する
  • 状況に応じた対処手段を選択する
  • 再発防止のための体制を整える

ステップ1 問題の投稿を発見したらすぐに証拠を保全する

誹謗中傷の投稿を見つけたとき、真っ先に行うべきなのは削除申請ではなく証拠の保全です。スクリーンショットを撮ったり画面録画を行ったりして、投稿の内容・日時・掲載場所・投稿者のアカウント情報などを記録しておきます。

投稿が削除されてしまった後では、発信者特定や法的手続きに必要な証拠が失われてしまいます。特に弁護士への相談を検討している場合は、詳細な証拠が手続きの成否を左右することもあるため、「気づいたらすぐに保存」を徹底することが最初の重要なアクションです。

ステップ2 投稿内容の法的な深刻さを判断する

証拠を保全したら、次に投稿内容が法的にどの程度問題のあるものかを判断します。事実と異なる情報・名誉毀損にあたる表現・プライバシーの侵害・業務妨害にあたる内容かどうかを確認することで、対応手段の選択肢が変わります。

法的に問題がある可能性が高い場合は、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。一方で法的な問題とまでは言えないが企業イメージへの影響が懸念される場合は、削除申請や正しい情報の発信といった対策が中心になります。投稿の性質を正確に見極めることが、効果的な対応への分岐点となります。

ステップ3 状況に応じた対処手段を選んで実行する

投稿内容の深刻さを判断したら、状況に合わせた対処手段を選びます。プラットフォームへの削除申請・弁護士への相談・風評被害対策業者への依頼・正しい情報の発信など、複数の選択肢を組み合わせて対応することが効果的です。

削除申請を行いながら、同時に自社の公式ページに正しい情報を掲載したり、弁護士監修の反論をメディアに公開したりすることで、複合的なアプローチが可能になります。一つの手段に絞るのではなく、課題の種類と優先度に応じて対策を組み合わせることが、被害を早期に収束させるための重要なポイントです。

ステップ4 再発防止のためのモニタリング体制を整える

一度問題を対処したあとも、同様の投稿が繰り返されるリスクがあります。定期的なモニタリングを続けることで問題の再発を早期に発見し、初期段階で対処できる体制を整えておくことが重要です。

自社名・担当者名・商品名などのキーワードで定期的に検索する習慣をつけるほか、専門のモニタリングツールやサービスを活用することで効率的に情報収集が可能です。誹謗中傷対策は一度やって終わりではなく、継続的に取り組むことで初めて効果を維持できます。

関連記事:ネット上の風評対策を企業が行う方法!具体的な手順と費用感

誹謗中傷にあった場合の相談先

誹謗中傷への対応は自社だけで完結しないケースも多く、状況に応じて適切な相談先を選ぶことが重要です。以下では企業が活用できる3つの主な相談先を紹介します。それぞれの特徴を把握したうえで、自社の状況に合わせて選んでください。

  • 弁護士・法律事務所
  • 法務局・消費者ホットライン
  • 風評被害対策の専門業者

弁護士・法律事務所への相談

誹謗中傷が法的問題に発展する可能性がある場合や、発信者を特定して損害賠償を求めたい場合は、インターネット上の権利侵害に精通した弁護士への相談が最も効果的です。

弁護士は削除の仮処分申請・発信者情報開示請求・損害賠償請求といった法的手続きをサポートするだけでなく、対応方針の判断や証拠の評価なども行ってくれます。初回相談は無料としている事務所も多いため、「法的に対応できるかどうかまだわからない」という段階でも気軽に相談してみることをおすすめします。

インターネット上のトラブルに特化した弁護士や、風評被害の対応実績が豊富な事務所を選ぶことで、より的確なアドバイスを受けられます。

関連記事:風評被害は弁護士に相談すべき?費用・メリット・相談の流れ

法務局・違法・有害情報相談センターの活用

法的対応を取るほどではないが、どこに相談すればいいかわからないという場合は、国が設けた相談窓口を活用する方法もあります。総務省が運営する「違法・有害情報相談センター」では、インターネット上の誹謗中傷や違法情報についての相談を無料で受け付けており、削除依頼の方法や手順についてアドバイスをもらえます。

また法務局でも「人権侵犯事件」として受け付け、削除要請などの対応を行ってもらえる場合があります。費用がかからず公的機関への相談という安心感がある一方で、直接的な解決よりも情報提供・案内が中心となります。緊急度が低い初期段階の情報収集として活用するのに向いています。

風評被害対策の専門業者への相談

複数のプラットフォームにまたがって問題が発生している場合や、継続的なモニタリングと対策を依頼したい場合は、風評被害対策を専門とする業者への相談も有効な選択肢です。削除代行・逆検索対策・モニタリングサービスなど、専門業者は企業のニーズに応じた幅広いサポートを提供しています。

業者を選ぶ際には実績・担当者の専門性・費用の透明性・契約内容の明確さを必ず確認することが大切です。成果を過大に保証したり、強引に契約を迫ったりする業者には注意が必要です。初回の問い合わせ対応の丁寧さや、自社の状況に合わせた提案をしてくれるかどうかも、信頼できる業者かどうかを見極めるポイントになります。

関連記事:ネット風評被害を弁護士に依頼するメリットと費用相場を解説

まとめ

インターネット上の誹謗中傷は、放置すれば採用・ブランド・売上・社員の士気など企業活動のあらゆる面に深刻な影響を与えます。対応の基本は、証拠の保全・投稿内容の深刻さの判断・状況に応じた対処手段の選択・継続的なモニタリングという4つのステップを順序立てて進めることです。

感情的な対応や証拠を消してしまうなどの初動ミスが被害を拡大させるケースも多いため、正しい手順と注意点を事前に把握しておくことが重要です。

なかでも注目したいのが、アンバイアスが提供する弁護士監修の反論・公式見解掲載というアプローチです。削除が難しい誹謗中傷に対して、信頼性の高いメディア上で正しい情報を発信することで、求職者や取引先に企業の実態を正確に届けることができます。「消せない誹謗中傷にどう向き合うか」という悩みを持つ企業にとって、これまでにない実践的な解決策となっています。お悩みの方はぜひアンバイアスへのお問い合わせをご検討ください。

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