誹謗中傷の削除依頼・開示請求の方法と手順を徹底解説

「事実無根の書き込みを消したいが、どこに連絡すればいいのかわからない」「投稿した相手を特定して責任を取らせたいが、何から始めればいいのか」——こうした悩みを抱える企業の担当者や経営者は少なくありません。

インターネット上の誹謗中傷は、放置すれば採用活動や企業ブランドへの影響が長期化します。しかし削除依頼や開示請求は手続きが複雑で、プラットフォームごとに方法も異なるため、知識なしに進めると対応を誤るリスクもあります。

本記事では誹謗中傷の削除依頼・開示請求の具体的な手順をプラットフォーム別に解説したうえで、専門家への相談が必要な理由まで詳しく説明します。被害が拡大する前に、正しい手順を把握しておきましょう。

誹謗中傷の削除依頼の方法と手順

誹謗中傷の削除依頼は、投稿されたプラットフォームによって申請方法や対応スピードが大きく異なります。まずは問題の投稿がどのサービスに掲載されているかを確認し、それぞれの手順に沿って申請を進めることが重要です。以下では代表的な5つのプラットフォームにおける削除依頼の方法を解説します。

  • 転職口コミサイトの場合
  • 掲示板サイトの場合
  • グーグルの口コミ・検索結果の場合
  • SNSの場合
  • まとめサイト・ブログの場合

転職口コミサイトの場合は企業アカウントから申請する

転職会議やOpenWorkなどの転職口コミサイトへの削除申請は、企業側のアカウントを作成・登録したうえで、各サービスの管理画面や専用フォームから行うのが基本的な流れです。

転職会議の場合は、企業アカウントを取得したうえで「口コミ報告」機能を使って削除を申請する方法が一般的です。申請の際は「どの口コミが」「なぜ削除対象となるのか」を具体的に記載する必要があります。利用規約違反・事実無根の内容・プライバシーの侵害といった明確な根拠を示すことが、申請を通すうえで重要なポイントになります。

OpenWorkでも同様に企業アカウントを通じた報告が可能ですが、削除が認められるかどうかはサービス側の審査によって決まるため、必ずしも希望通りに対応してもらえるとは限りません。削除申請が通らなかった場合は、弁護士を通じた法的対応を検討することになります。

関連記事:OpenWorkの口コミは削除できる?信憑性と対処法を企業向けに解説

匿名掲示板の場合は運営フォームから削除申請を行う

5ちゃんねる・爆サイ・ホスラブなどの匿名掲示板に書き込まれた誹謗中傷は、各サイトの削除依頼フォームやメールから申請する方法が基本です。

5ちゃんねるの場合、削除依頼は専用の削除依頼板に書き込む形式で行います。削除が認められるには「個人情報の掲載」「名誉毀損にあたる内容」「プライバシーの侵害」など、明確な削除理由が必要です。感情的な表現ではなく、どの投稿が規約のどの条項に違反しているかを具体的に示すことが求められます。

爆サイやホスラブでは専用の削除依頼フォームが設けられており、そこから申請を行います。ただしこれらの掲示板は対応が遅かったり、削除に応じてもらえないケースも多いため、自社での申請に限界を感じる場合は専門業者や弁護士への相談を早めに検討することをおすすめします。

関連記事:5ch(5ちゃんねる)の書き込み削除依頼の方法と成功させる手順

グーグルの口コミや検索結果の場合は専用フォームから申請する

グーグルマップの口コミに問題のある投稿がある場合は、対象の口コミの右上にある旗マーク(報告アイコン)をタップして「不適切なクチコミを報告」から申請を行います。報告カテゴリとして「スパム」「不適切なコンテンツ」「利害関係のある口コミ」などが用意されているため、内容に合ったカテゴリを選んで申請します。

グーグル検索結果から特定のページを削除したい場合は、グーグルの「コンテンツ削除ツール」から申請が可能です。個人情報の掲載・著作権侵害・成人向けコンテンツなど、削除申請の種類によってフォームが分かれています。

ただしグーグルへの削除申請は審査に時間がかかることが多く、必ずしも申請通りに対応されるとは限りません。申請が却下された場合はその理由を確認し、根拠をより具体的に示したうえで再申請するか、法的手段を検討する必要があります。

関連記事:Google口コミを削除する方法!報告・通報・削除依頼の手順まとめ

SNSの場合は報告機能と運営への申請を組み合わせる

ツイッター(現エックス)・インスタグラム・フェイスブックなどのSNSに投稿された誹謗中傷は、各プラットフォームの「報告」機能を使って削除を申請する方法が基本となります。投稿の右上にあるメニューから「報告」を選択し、「ハラスメント」「誤情報」「嫌がらせ」などの該当カテゴリを選んで申請します。

エックスでは「ヘルプセンター」からも詳細な申請が可能で、名誉毀損や個人情報の掲載などより具体的な理由をもとに申請できます。フェイスブックやインスタグラムも同様に、報告機能からの申請に加えてヘルプセンターを通じた詳細な申請が可能です。

SNSは利用者数が多いぶん審査の件数も膨大であるため、対応に時間がかかることが多くあります。拡散が進んでいる場合は、報告申請と並行して弁護士に相談することで、投稿者の特定や法的措置への準備を同時に進めることが得策です。

関連記事:SNSで会社の悪口を書かれたら?企業が取るべき対処法と予防策

まとめサイト・ブログの場合はサイト運営者とホスティング会社に申請する

まとめサイトや個人ブログに誹謗中傷が掲載されている場合は、まずサイト内に記載されている「お問い合わせ」や「削除依頼フォーム」から運営者へ直接申請する方法が最初のステップです。

運営者から返答がない、または対応を拒否された場合は、そのサイトをホスティングしているサーバー会社(プロバイダ)に対して削除を求めることができます。プロバイダ責任制限法に基づき、権利を侵害するコンテンツの削除をプロバイダに求める「送信防止措置依頼」という手続きが利用できます。

送信防止措置依頼は書面で行う必要があり、侵害されている権利・侵害の事実・削除を求める理由を具体的に記載することが求められます。手続きが複雑なため、弁護士のサポートを受けながら進めることをおすすめします。

関連記事:ネットの書き込みを削除する方法!プラットフォーム別の対応手順

誹謗中傷の開示請求の方法と手順

誹謗中傷を書き込んだ投稿者を特定して責任を追及したい場合は、発信者情報開示請求という法的手続きを利用することになります。2022年のプロバイダ責任制限法の改正により、手続きが一本化・迅速化されました。ここではプラットフォームの種類ごとに開示請求の手順を解説します。

  • 転職口コミサイトへの開示請求
  • 匿名掲示板への開示請求
  • グーグルへの開示請求
  • SNSへの開示請求
  • プロバイダへの開示請求

転職口コミサイトへの開示請求は書面での正式申請が必要

転職会議やOpenWorkなどの転職口コミサイトに対して発信者情報の開示を求める場合、サービス運営会社に対して書面で正式な開示請求を行うことが必要です。口頭や通常の問い合わせフォームでの申請は受け付けてもらえないため、弁護士を通じて法的な手続きとして進めることが一般的です。

開示請求の書面には、問題の投稿がプロバイダ責任制限法上の「権利侵害情報」にあたることと、開示を受けるべき正当な理由を明確に記載する必要があります。運営会社側での審査を経て開示が認められた場合、投稿に使用された設備の情報(投稿時のIPアドレスなど)が開示されます。

ただし転職口コミサイトはユーザーの匿名性を保護する立場から開示に慎重なケースが多く、任意開示が認められない場合は裁判所を通じた手続きに移行することになります。

匿名掲示板への開示請求は裁判所を通じた手続きが中心

5ちゃんねるや爆サイなどの匿名掲示板は、任意での開示請求に応じないケースがほとんどです。そのため実務上は最初から裁判所を通じた手続きとして進めることが一般的です。

2022年の法改正前は「仮処分→本訴」という二段階の手続きが必要でしたが、改正後は「発信者情報開示命令」という新しい手続きが設けられ、一つの申立てでコンテンツプロバイダとアクセスプロバイダの両方に対して開示を求めることが可能になりました。

裁判所への申立ては弁護士が代理人となって行うのが通常であり、手続きが複雑なうえに投稿ログの保存期間が限られているため、開示請求を検討している場合はできる限り早い段階で弁護士に相談することが重要です。

関連記事:誹謗中傷対策を会社が行う方法!被害を防ぐ手順と相談先

グーグルへの開示請求は専用フォームと法的手続きを使い分ける

グーグルに対する発信者情報の開示請求は、まずグーグルの「法的問題に関するリクエスト」フォームから任意開示を求める方法と、裁判所を通じた法的手続きの2つのアプローチがあります。

任意開示のフォームでは、名誉毀損や個人情報の不正掲載など法的根拠を示したうえで情報の開示を求めることができます。グーグルはアメリカ本社の運営であるため、手続きには一定の英語対応が求められる場面もありますが、日本語でのフォーム申請も受け付けています。

任意開示で対応が得られない場合は、日本の裁判所を通じた発信者情報開示命令の手続きに移ります。グーグルは海外企業であるため対応に時間がかかることが多く、ログの保存期間を考慮すると早期対応が不可欠です。

関連記事:Googleにひどい悪い口コミを書かれた企業が取るべき対応策まとめ

SNSへの開示請求は各プラットフォームのポリシーに沿って進める

エックス・インスタグラム・フェイスブックなどのSNSに対する開示請求は、各プラットフォームの「法執行機関向けガイドライン」や「プライバシーポリシー」に定められた手続きに沿って進める必要があります。

エックスには日本語の法的問い合わせ窓口が設けられており、弁護士を通じた正式な法的手続きとして申請することで、投稿に使用されたアカウントの登録情報や投稿時のIPアドレスなどの開示を求めることができます。

ただし開示が認められるには法的根拠が必要であり、単なる誹謗中傷や不快な表現だけでは不十分と判断されるケースもあります。各SNSはいずれも海外企業が運営しているため、国際的な手続きを熟知した弁護士への依頼が現実的な対応策となります。

プロバイダへの開示請求はIPアドレス特定後に速やかに行う

コンテンツプロバイダ(掲示板やSNS)からIPアドレスなどの情報開示を受けた後、実際の投稿者を特定するには次のステップとしてアクセスプロバイダ(インターネット回線の提供会社)への開示請求が必要です。

アクセスプロバイダへの開示請求では、コンテンツプロバイダから入手したIPアドレスと投稿日時をもとに、該当する契約者情報(氏名・住所など)の開示を求めます。アクセスプロバイダは通信の秘密を守る義務があるため任意開示には応じないのが通常であり、裁判所を通じた発信者情報開示命令の手続きを経ることになります。

アクセスプロバイダのログ保存期間は一般的に3ヶ月程度とされているため、コンテンツプロバイダからの開示を受けたら時間を置かず速やかに手続きを進めることが、投稿者特定の成否を左右する重要なポイントです。

関連記事:風評被害は弁護士に相談すべき?費用・メリット・相談の流れ

誹謗中傷の削除依頼・開示請求が専門家でないと難しい4つの理由

削除依頼や開示請求は手順を調べれば自社でも対応できると思われがちですが、実際にはさまざまな壁に直面するケースが多くあります。以下では専門家なしでは難しい理由を4つの観点から解説します。

  • 法的根拠の整理と主張が難しい
  • ログの保存期間という時間的制約がある
  • 手続きが複数段階にまたがり複雑
  • 対応を誤ると逆効果になるリスクがある

法的根拠の整理と主張が専門知識なしでは難しい

削除依頼・開示請求のいずれも、「なぜその投稿が問題なのか」を法的根拠をもとに明確に示すことが求められます。名誉毀損・プライバシーの侵害・業務妨害・不正競争防止法違反など、どの法律のどの条件に該当するかを具体的に説明できなければ、申請が却下されるケースがほとんどです。

法的な文書の作成や主張の組み立ては、法律の知識がない一般の担当者にとって非常にハードルが高い作業です。専門知識なしに作成した申請書では主張が不十分と判断されることが多く、結果として時間と手間だけがかかって成果が出ないという状況に陥りやすくなります。

ログの保存期間という時間的制約がある

発信者情報の開示請求において最も注意すべきなのが、プロバイダ側でのログ保存期間という時間的な制約です。アクセスプロバイダのログは一般的に3ヶ月程度しか保存されておらず、この期間を過ぎると投稿者の特定が事実上不可能になってしまいます。

問題の投稿を発見してから「どう対応するか」を検討している間にログが消えてしまうと、たとえ後から法的手続きを始めても投稿者にたどり着けなくなります。専門家であれば迅速に手続きを進める方法を把握しているため、時間的な損失を最小化できますが、自社で手順を調べながら進めていると対応が間に合わないリスクが高くなります。

手続きが複数段階にまたがり全体像の把握が難しい

開示請求の手続きは、コンテンツプロバイダへの申請・裁判所を通じた開示命令・アクセスプロバイダへの申請という複数の段階を経る必要があります。それぞれの段階で提出書類・手続き方法・対応する窓口が異なり、全体の流れを把握するだけでも相当な知識と経験が必要です。

途中で手続きに誤りがあったり、必要書類が不足していたりすると手続きがやり直しになることもあります。弁護士はこうした手続きを日常的に扱っているため、全体の流れを見通しながら各段階を滞りなく進めることができます。専門家への依頼はコストがかかりますが、自社対応による手続きのミスや時間的ロスを考えると、結果的に効率的かつ確実な選択肢といえます。

対応を誤ると被害が拡大するリスクがある

削除依頼や開示請求を進める過程で、対応を誤ると問題がさらに大きくなるケースがあります。たとえば削除申請の内容が不適切だったり、感情的な文言が含まれていたりすると、サービス運営者から「対応不要」と判断されるだけでなく、その申請内容が投稿者や第三者に知られて炎上につながる可能性もあります。

また開示請求の手続きを誤って進めると、投稿者に警戒されてアカウントが削除されたり、証拠が失われたりするリスクもあります。誹謗中傷への対応は慎重さと専門的な判断が求められるため、被害が深刻な場合ほど早い段階で弁護士に相談することが最善の選択です。

関連記事:ネット風評被害を弁護士に依頼するメリットと費用相場を解説

まとめ

誹謗中傷への対応は、プラットフォームごとに削除依頼の方法が異なり、開示請求においては法的手続きが複数段階にわたるため、全体像を把握したうえで迅速に動くことが求められます。ログの保存期間という時間的制約があることからも、問題を発見したら早期に専門家へ相談することが重要です。

削除や開示請求だけでなく、正しい情報を積極的に発信することも風評被害への有効な対策です。特にアンバイアスが提供する弁護士監修の反論・公式見解掲載サービスは、削除が難しい誹謗中傷に対して信頼性の高い情報で正面から対抗できる手段として注目されています。

「消せない誹謗中傷をどうするか」という問いに対して、削除・法的対応・情報発信を組み合わせた複合的なアプローチが、企業の評判を守るうえで最も効果的な戦略です。被害にお悩みの方は、ぜひアンバイアスへのお問い合わせもご検討ください。

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